Cinema Clip

ネタバレだらけの映画感想。和洋問わず古い作品が多め。

『謀議』

王様の耳はイタチの耳


監督:フランク・ピアソン
出演:ケネス・ブラナースタンリー・トゥッチコリン・ファース、ジョナサン・コイ他

1942年1月20日。
ベルリンの屋敷に15人のナチス高官が集結する。それは「これからユダヤ人をどう始末するか」についての極秘会議のためだった。初めのうちは意見する者もいたが・・・

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【謀議(ぼうぎ)】
計画し相談すること。特に、犯罪の計画・方法などを相談すること。

あの有名なユダヤ人大量虐殺は、たった90分の会議で決まってしまいましたというとんでもないお話。最後にはハイドリッヒ(ケネス)に口出しする者はいなくなり、結局満場一致で計画は決まってしまう。

中盤から、殺す場所はどうするとか何を使うとどんな死に方をするかとか、まるで会議の前からもうすべて決まってましたと言わんばかりの台詞がバンバン出てくる。この会議には何の意味もなかったのです。名前忘れたけど何かを使うとガスの影響で死体がピンク色になるらしいですよ。で、その話を聞いて一人の高官が笑って『良いね』とか言ってる。良くはないだろ・・・このシーンは血の気が引いた。頭狂っとるわ。
15人のお偉いさん方がツバ飛ばしながらあーでもないこーでもない、ユダヤ人を人間とも思わず、「死亡」を「退去」という言葉に変えて軽々しく話を進めていく。実にくだらない。ユダヤ人に死んで詫びろ(もう皆死んじゃってるけど)。
最後には満場一致・・・というか、誰ももう何も言えないというか。もう殺す場所から何から、全て最初から決まっていたようなもの。それを今更どうこう言っても、意見が取り入れられる事はない。その上、あの場の空気。何も言えんよな・・・。あの場にもし私がいたら、同じようにしてしまったんだろうなと思う。

コリンは法を信じて疑わないストゥッカート博士役。途中で「こんな計画はバカげてる」と噛み付き、熱弁する。しかしそんな彼も結局、決定に従うしかなかった。

これ、劇場公開作品じゃないんです。TV映画です。それでいてこの質の高さ!最初から最後まで場面はほぼ会議室、その会議の様子を延々映しているだけ。なのにこの面白さ。面白いって言ったら語弊があるかもしれないけど、凄く引き込まれる素晴らしい台詞劇。これは凄い。
是非一度ご覧あれ。