Cinema Clip

ネタバレだらけの映画感想。和洋問わず古い作品が多め。

『つぐみ』

王様の耳はイタチの耳


1990年
監督:市川準
出演:牧瀬理穂、中嶋朋子白島靖代真田広之 他


幼い頃から体が弱く甘やかされて我が侭に育ったつぐみ。
つぐみの従兄弟のまりあは、つぐみとその姉に誘われ、帰省して共に夏を過ごす事になる。


中学の頃に『日本映画大全集』(だったかな?)っていう、戦前からの日本映画のデータがダーッと書いてある辞書みたいな本を買ったんですが、この本にこのDVDのジャケットと同じ写真が載ってて、この写真にすごく惹かれてずっと観たかったんです。でもレンタルに置いてなかったりで観る機会を失ってました。

念願叶ってやっと観れた。


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牧瀬里穂ってどこ行っちゃったのかね。無茶苦茶可愛いんだが。

タイトルと主役は『つぐみ』だけど、語りべはつぐみの従兄弟の『まりあ』です。
まりあの視点から見たつぐみを淡々と描いてます。
冒頭でつぐみとまりあの関係の回想シーンが入りますが、さぞ仲が良かったのかと思いきや結構微妙な関係。我が侭放題のつぐみにずっと振り回されて疲れてそうな印象。特別何か大きな出来事があったわけでもなく、一緒にテレビを見てたり普通の何気ない思い出ばかりというのが平凡で良い。

我が侭で気性が激しくて口の悪いつぐみ。自分の事を『俺』と呼ぶ。表情も攻撃的で、いつも敵を見ているような目をしてます。
ある日まりあと犬の散歩で海に行き、そこで吹越満率いるチンピラに絡まれる。吹越満若いよー。この人の若い時ってなんかあれだよね・・・危ない雰囲気漂ってて怖い。
そこへ偶然現れた青年に助けられます。真田さーん!!チンピラを押しのけ『キミたちの犬だよね?』テラカッコヨス。
その後、町の灯篭流しのお祭りでも偶然その青年を見かけ、しばらく見つめた後パッと顔をそらすつぐみ。すっかり気になる存在です。

つぐみの旅館に泊まっている兄を訪ねて来た青年。気になって仕方ないつぐみは、寝ていたまりあを叩き起こして青年がいる部屋の近くに座りこむ。まりあ大迷惑。二人に気付く青年。そこで初めて、お互い自己紹介。
『お前、なんていうの?名前』『お前って何やってる人?』ぶっきらぼうな言い方なのに顔がすっかり恋する乙女で可愛いぞつぐみ!
という事で真田青年の役名は高橋恭一。美術館勤めのごくフツーのお兄ちゃんです。恭一もつぐみの魅力に惹かれてお付き合いが始まります。つぐみをおんぶして長い階段を登ったりしてます。いいなあ私もおんぶされたry

そんなこんなで恭一が気に食わない吹越満。二人が浜辺でデートしているところへやってきて、5、6人がかりで恭一をボッコボコにします。・・・といっても、軽い怪我程度で済んでます。なんせ真田さんだから喧嘩強そうに見えてしょうがない。囲まれた時はガンガンなぎ倒し始めるんじゃないかと思ったw
気の済まない吹越満は仲間を使って恭一のバイクに何か仕掛けます。え、何してんの・・・?仕事の帰りにバイクにまたがる恭一。うわあああ、エンジンかけちゃだめ・・・・!!
同じ頃、つぐみの犬も行方不明に。なんと、犬も吹越満の仲間によって殺されてしまっていた。ここまでやるかね・・・
怒りに震えるつぐみは、とんでもない行動を起こす。


物語は淡々と進み特別盛り上がるような場面も無いですが、田舎町の風景が和やかで静かで、平凡な日常の中での人の心の動きがじっくり楽しめる良い作品だと思います。私はどちらかといえば、こうゆう平凡系の映画が好きなので・・・
中嶋朋子の単調な語りも雰囲気あって良かったです。

気になっていたあの写真のシーンの会話は素敵だった。
『ここには山も海もある。おまえの心は丈夫だし。世界中旅する人よりもずっと多くのものを見れるよ』
この言葉は病弱で動き回れないつぐみにとってはすごく嬉しい言葉だよなあ・・・
恭一はごく普通の人なんだけど、女子が『こうして欲しい』って望むものを兼ね備えてて良い男だよね。優しいし男らしいしちゃんと守ってくれるし体は頑丈だし(バイクごと吹っ飛ばされた時は絶対死んだと思った)
ついでに男前だしな!こうゆう男に会ってみたいわー。