Cinema Clip

ネタバレだらけの映画感想。和洋問わず古い作品が多め。

『陰陽師』

王様の耳はイタチの耳


2001年
監督:滝田洋二郎
出演:野村萬斎伊藤英明小泉今日子真田広之 他


時は西暦794年、平安時代に突入したばかりの京の都。怨霊に取り憑かれた上官を救うべく、源博雅陰陽師の阿倍晴明の元を訪れ、そこで運命的出会いを果たす。やがて、生まれたばかりの帝の子・敦平親王の身体に異変が起きるのだが…。


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懐かしいですねー流行りましたね。
私は高校生でしたが、周りに結構はまってる人多くて陰陽師本とか教室にやたら置いてあった記憶があります。
そんな中私は実はあんまり興味がなくて(←)真田さんと萬斎さん出てるなら観よう程度な感じでした。なので原作はよく知らないし関連本もほとんど読んでないです。
その上での感想です。

ストーリーの簡単な流れは→怨霊に取り付かれた上官を救うため、博雅は陰陽師のトップ的存在の安部清明に助けを求める。博雅と清明はお互いを知るうちに信頼関係を築いていく→清明と同じく陰陽師のトップ的存在の道尊が『都の守り人』を予言する。その守り人とはミカドの子である敦平であったが、生まれて間もなく原因不明の病に侵される→敦平に呪いをかけたのは道尊であったが、清明の逆鱗に触れ自分のカラスとアジトを燃やされてしまう→道尊『ぅおのれ清明ーーーー!!!!』(ここから真田氏本格ログイン)→清明VS道尊→清明と博雅が縁側で笑いながらめでたしめでたし

残念なのは、道尊が何故ここまでの執念で都を潰そうとしていたのかというのが全くわからない事。
博雅が道尊にやられちゃった時にあの清明が泣くわけですが、ここは本来なら凄く感動なシーンらしいんですが何も知らずに見るとちょっと唐突に感じます。『え?そんなに仲良かったっけ?』と。ちょっと冷めちゃう。清明・博雅の間の描写が甘いんだと思う。
なんだか腑抜けた水戸黄門みたいなストーリーで、多くを期待して見るのはちょっと苦しい。

だがしかし!
この映画は清明→萬斎さん・道尊→真田さんな時点で既に成功してるから良いんです。だって他の人にやれっつったってできないでしょうよ。お二人が存在しなかったらこの映画もあり得なかったと思う。
方やプロの狂言師、方や日舞の名取り。醸し出す品の良さは異常でこの時代の人物にはぴったり。特に萬斎さんは流石というか、所作から何から完璧でとにかく美しい!!清廉で飄々としてて年齢不詳で中性的。そんな萬斎さんを楽しめれば良いんです。
アジト火災以降はバケモノにしか見えない真田さんの怪演も必見。自分のカラス(式神)焼かれちゃった時の慌てっぷり!やたら楽しそうな高笑い!『ミ〜カド〜♪』と連呼しながら宮中練り歩く楽しそうな姿!笑い過ぎて腹痛いわー。演じてるご本人もなんだか楽しそうです。
『ぅおのれ清明!!!』とか言ってキレてたのはアジト燃やされたのよりカラス燃やされちゃったのが悲しかったからではないのかい?って考えるとちょっと可愛いじゃないか道尊。あのあわわオロオロな様子もなんか面白くて笑ったよ。カラスがお友達だったからねえ。
このお二人の、静と動が対極してる様子がアクションシーンでしっかり出てるのも良かった。

脇は総じて文句無し。中でも夏川さんのキレっぷりが素晴らしい!特殊メイクがお化け屋敷チックなのはこの際どうでもいい。頭にローソクが大変似合ってます。キョンキョンよりも夏川さんに賞をあげたい。
柄本さんも岸部一徳も良いよー。萩原聖人はキャラ的にちょっと疑問を感じたけどあれで良いならあれで良いよ。演技自体に問題があるわけではない。

それに反し、伊藤英明の台詞棒読み演技にはド肝を抜かれた。博雅の優しいヘタレな雰囲気はよく出てるので(伊藤英明ってそうゆう顔だよね)これはこれで良いのか?いや、でもなあ・・・あの棒読みは気になってしょうがないなあ・・・顔はピッタリなんだけどなあ・・・
そして何故今井絵里子なのかという謎。これは見る前から謎だったけど見てもやっぱり謎だった。

残念過ぎる小道具たち。道尊のカラスに至ってはNHK教育の人形劇レベルです。デザイン天野喜孝だよ?FFの人だよ?そりゃ途中で焼き鳥になっちゃう運命ではあるけどもどうせ天野さんにやってもらったならもうちょい頑張ろうよ。
CGは?ほんとにこれで良かったのかい?これが限界だったのかい?道尊に落ちる雷はあれで良いのかい?昔の東映特撮なのかい?ちょっと役者が気の毒ではないかい?
突っ込みたいところは多々ありますがこの辺で。
音楽に関しては全く印象に残ってません。音楽使われてたっけ・・・


と、こうして書き出してみると、映画としてはあまり褒める点が無いという。
個人的に『それでも面白かった』と思えたのは結局萬斎さんと真田さんの力が大きいのだろうか。まあ真田スキーなら道尊はおいしいキャラだからなー。この点だけでも見る価値はあるし。
エンドロールでは萬斎さんの舞も楽しめるし・・・萬斎スキーには最初から最後までたまらんと思います。
この二人を楽しめればそれでいいんだな、うん。そうゆう事にしておこう。