Cinema Clip

ネタバレだらけの映画感想。和洋問わず古い作品が多め。

『チルドレン・オブ・ホァンシー』

チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道 [DVD]


2008年
監督:ロジャー・スポティスウッド
出演:ジョナサン・リス=マイヤーズ、ラダ・ミッチェル、チョウ・ユンファ 他

1930年代後期、イギリス人のホッグは日本軍に侵略されていた南京にジャーナリストとして訪れていた。攻撃に巻き込まれ負傷したホッグは、日本軍の手がまだ伸びていない黄石の養護施設へ送られるが・・・・

これは是非観ていただきたい秀作。


---------------------------------------------------


何が凄いってこれ全部実話だ、っていうね。

ジャーナリストのホッグは南京で虐殺の惨劇を目の当たりにしショックを受けつつ、必死で写真を撮り続けるものの、日本軍に見つかり斬首されかける。
そこへ颯爽と現れホッグを助けるユンファ!!はあああああんユンファ渋いかっこいい!!!
ユンファは共産党のリーダー的存在であり、国民党と対立していた。ユンファに助けられ斬首を逃れたホッグだが、再び日本軍に攻撃され負傷。ユンファの友人であるリーに看護される。

前線に出るユンファについていこうとするホッグだが、怪我をした事と中国語がまだへたっぴな事を理由に連れて行ってもらえない。その代わりに、まだ日本軍の攻撃を受けていない黄石へ送られる。
そこは食料もまともにない、日本軍に親を殺された孤児たちが集まる養護施設だった。

珍しい外国人に興味津々の子供たちはホッグの言う事を全く聞かず、特にボス格のシーカイはホッグを敵視。こんなところに送られて不本意なホッグも出て行きたがるが、そこへリーが現れる。彼女はこの黄石に数ヶ月に1度食料や薬を届けていた。
子供たちに不安を与えないために、ノミ取り薬の実験の際リーにすっぽんぽんにされるホッグ。それを機に子供たちとホッグの間の壁は少しずつ取れ、ホッグも子供たちが住みよい施設にできるよう、電気を通したりバスケゴールを作ったりと努力する。
気がつけばホッグは子供たちの先生的存在になり、子供たちも見違えるほどにイキイキと生活していた。
ところがホッグが気に入らないシーカイは電気を通す機械を破壊。シーカイは元々はいいとこのお坊ちゃんだったが、父を日本軍に殺され、母と姉も強姦された挙句に殺されてしまい完全に心を閉ざしてしまっていたのだった。
でも自分の取り巻きまでもがホッグの電気修理を手伝っている姿を見て、少しずつ変わっていくシーカイ。本当は寂しくて誰かに甘えたくて仕方なかったんだよね。

一方、前線で戦っていたユンファだったがついに彼らにも撤退命令が出る。仲間たちやリーを逃がし自分だけアジトに残るユンファ。そしてアジトごと爆撃!!!
さよならユンファ・・・かっこいい最期だったよ・・・

と思ったら黄石に突然現れるユンファ。あの爆撃で死ななかったんかい!凄いな。しかしユンファはマラリアにかかっており、黄石でリーの看護を受けつつ療養。ユンファとリーは元々は恋人同士だったのです。
しかし国民軍が黄石へやってきた。ユンファを連れに来たのか・・・と思いきや、彼らは施設の子供たちに目をつける。子供たちを徴兵させようって事ですね。
子供たちを絶対に戦場へ送りたくはないホッグは、子供たちを連れてシルクロードを徒歩で渡り逃げる覚悟を決める。
ところがみんなで出発準備を進めている最中、チンという少年が自殺してしまう。おそらく『逃げる』という言葉にトラウマがあったのであろう、と。チンは真っ先にホッグになつき英語を教わり、教わった英語を他の子に教えてあげたり、小さい子の面倒もよく見るとっても良い子で、このシーンはかなりショックでした。
そしてシーカイはユンファにかなり感化されたようで、ユンファもシーカイに一目置き銃を持たせる。これが原因でホッグとユンファの意見の違いがちょいちょい出るようになりちょっと険悪。

60人もの子供を連れた旅が始まります。
その間、日本の偵察兵と一触即発になったりシーカイが偵察兵を殺しちゃったりホッグとユンファが言い争ったり、標高3000メートルの雪山で吹雪に見舞われたりいろいろとございます。
そして移動中に日本軍にバッタリ!パニックの中、日本軍を攻撃しようとしたシーカイは横転した荷車の下敷きになり命を落とす。それを機に、ユンファはホッグの元を去っていった。

やっとこさたどり着いた蘭州で車を貸してもらえる事になり快適な車移動!砂漠の移動シーンが素晴らしくて感動。子供たちもこんな気持ちで眺めていたんだろうなあ・・・


しかし途中で車が故障し修理している最中、今度は竜巻に見舞われる。ホッグは軽いかすり傷で済んだものの、この傷がやがて悲劇を生む事になる。

ついに目的地にたどり着き、使われていない寺院に住む事になったホッグたち。しかしホッグは破傷風で倒れてしまう。子供二人がサイドカー爆走させて蘭州まで血清をもらいに行くが、二人が戻ると、空には人の死を意味する凧があげられていた・・・


これが実話だという事は、エンドロールでわかります。
ホッグに連れられシルクロードを渡った子供たちの多くが生存しており(公開当時)、本人たちがホッグの事を語っているのです。何の予備知識もないまま観てたのでかなり衝撃だった。これが実話だなんて・・・・イギリス人が60人もの中国人の子供を連れてシルクロード横断したなんて、まさかほんとにあった話だとは思わないじゃないか。総距離1000キロだよ?

元々ジャーナリスト魂はあったものの子供たちを助けようなんて気持ちはこれっぽっちもなかったホッグが、生活を改善させようとする事で子供たちの心を開いて遊びも勉強も含めいろんな事を教え生きる活力を取り戻させて、気がつけば自分の全てを子供たちのために投資している。そんなホッグの姿も、どんどんイキイキしていく子供たちの姿も、見ていてもう胸が熱くなってしょうがない。
日本軍が鬼畜過ぎて日本未公開作品って事で、日本人にとってかなり見るのが辛いシーンもありますけど、目を逸らさずに見ましょう。実際にあった事ですんで。
その日本軍の日本語がカタコト過ぎて聞き取れないとかいう点はまあ横に置いといて・・・いや、さすがに聞き取れないほど酷いとちょっとあれか。まあでもこの映画に限った事じゃないし・・・

ユンファは渋くて貫禄あって超かっこいい最高。
監督の名前が変わってるね。スポティスウッド。すぽてぃすうっど。言いにくい。


チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道 [DVD]

チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道 [DVD]