Cinema Clip

ネタバレだらけの映画感想。和洋問わず古い作品が多め。

『女のみづうみ』

あの頃映画 「女のみづうみ」 [DVD]


1966年
監督:吉田喜重
出演:岡田茉莉子、露口茂 他

旦那も子供もいるが若い男と不倫をしている岡田茉莉子。不倫相手に『ヌードを撮らせてほしい』と頼まれ応じるが、帰り道にそのネガを見知らぬ男に奪われてしまう。


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タイトルもジャケットもエロそうだが本編もそこそこエロい。しかし映像美的な感じで撮られているのでそんなにいやらしい感じはしない。

さて、バッグごとネガもひったくられてしまった茉莉子は、その男に『返してほしかったら俺の指定する場所に来い』と脅される。茉莉子は旦那に『友人と旅行へ行く』と嘘をつき、不倫相手の反対も押し切り列車に乗る。この不倫相手が『奥さん!奥さん!』連呼で少々うざい。あんまりかっこよくないし。
しかもこの不倫相手、実は婚約者がいるのだ。不倫して婚約者も騙して嫌な男だ。もちろんそんな事、茉莉子は知らない。

露口さんは口だけは冷静なスーパー俺様粘着ストーカー役。自分から茉莉子を呼んどいてなかなか会ってくれない。
そんな中、茉莉子を追っかけてきた不倫相手。うぜー!露口さんは一人で来なきゃネガ返しません、っつってるのにやたらしゃしゃり出てくる不倫相手。うぜえ。心なしか茉莉子も不満そう。茉莉子の方は一人でストーカー露口に会う覚悟はしてきてるわけですからね。

ネガを現像した写真屋さんで露口さんと不倫相手はご対面。

不倫相手に対し、
『言ってもいいのかな?みんなバレるよ?』
『キミもいい気なもんだね。人妻とこんなところにのんびり旅行に来て』
『結構楽しんでいるようだな』
『(お前は最低のクズ野郎だ、と言われ)そんな事あんたに言われんでもわかっとる』

とまあこんな感じで俺様発言を連発。私ストーカーですが何か問題でも?とでも言いたそうな勢い。しかし口調は冷静だが目は泳いでいるように見えるのは気のせいでしょうか。気だけは強い小型犬に見えてしょうがない。

そんな中、なんと不倫相手の婚約者が彼を追いかけてきた!婚約者を前にしながらも『奥さん!』を連呼する不倫相手。ストーカー露口もたいがいだがコイツもどうしようもない。
もうウンザリな茉莉子は一人で出かけ、浜辺で露口さんと出会う。露口さんは元々予備校の講師をしていて、その予備校の窓から茉莉子と不倫相手が二人でいるところを目撃していたのだ。

『私はあの写真の中のあなたを愛していたのかもしれない。
現実にはいない写真の女を。』

そのままなんとなくデートな状態になる二人。そこで映画の撮影現場に出くわす。『これはいかがわしい映画なの?』的なシーンばかり撮ってるんだが、このシーンが結構長い。延々と見せつけられて少々退屈。
これは何を狙ってこうなったんだろう、と考えたが、露口さんは茉莉子の愛情を手に入れたいという気持ちを強くし、茉莉子は露口さんの気持ちを逆手に取り体で解決しようと決意する、そのあたりを表現してるのだろうか。よくわからない。私の勝手な解釈です。実際この後、二人はイチャコラしている。
しかし茉莉子は脅してきたストーカーと一緒にいるのにまんざらでもなさそうな感じだ。

宿に泊まった翌日、茉莉子は露口さんを崖から突き落とすのだった。
これで全部解決です。さよならストーカー。


迎えに来ていた旦那と共に、東京行きの列車へ乗る茉莉子。
しかし同じ列車になんと死んだと思われた露口さんが乗っていたのだ!
粘着パワー恐るべし。

『私はこうして生きている。
あの写真は焼き捨てられても、わたしの存在は消えない』


露口さんは東京へ戻っても茉莉子をねばっこく静かに追いかけ回しそうだ。
茉莉子頑張って・・・


自分の言動に確信を持ちながらも、露口さんの言動に翻弄され知らん間に流されているように見える茉莉子。
不倫からヌード写真、ストーカーの存在、旦那へのうしろめたさ。そうゆうものから密かにおびえつつもそれを認めようとしない、そんな心の揺れが『女のみづうみ』という事なのかね。

モノクロならではの画面の美しさはお見事。光と影のコントラストが大変美しく、ストーリーそのものよりも画面の美しさを楽しんだ方が良いかもしれません。

岡田茉莉子はこの時何歳だったんだろう。
めちゃくちゃ色っぽい。

可愛い顔して俺様ストーカーな露口さんは、実は『赤い殺意』という映画でもストーカーを演じている。
そちらは心臓病を患い余命わずかな負オーラバリバリストーカーだった。


女のみづうみ [DVD]

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